一般社団法人 川崎市介護支援専門員連絡会設立のご挨拶
任意団体である川崎市介護支援専門員連絡会では、会員の皆様をはじめ、関係機関の皆様には、いつも本会へのご理解、ご協力を頂き、誠にありがとうございます。
さて、この度、本年6月12日をもって「一般社団法人 川崎市介護支援専門員連絡会」を設立する運びとなりました。去る、6月28日エポックなかはらホールにて、第23回川崎市介護支援専門員連絡会定期総会、法人設立報告会、講演会、法人設立記念パーティーが開催されました。総会では全議案承認され、また新しい船出を祝う講演会、パーティーにも多くのご列席をいただき、ご祝辞を頂戴いたしました。この場をお借りして御礼申し上げます。
法人化に至った経緯としましては、本会の前身となる川崎市介護支援専門員連絡会の活動を受け継ぎ、よりその活動を深化させるため、会員、専門家のご意見を参考にしながら1年以上の時間をかけ、丁寧に法人化の要否について検討を重ねて参りました。
その結果、これまでの任意団体では契約行為等出来ない事があり、その時々の歴代会長が個人で負荷を負いながら運営を継続されてきました。
それは、時代にそぐわないだけでなく、職能団体としての事業活動にも影響を与え始めてきていました。これが法人化への大きな理由となります。本年度は、任意団体川崎市介護支援専門員連絡会からの業務引継ぎを行い、同時に一般社団法人の事業運営整備を整えることで進めていく予定です。
私たちは、今までの「川崎市介護支援専門員連絡会」の歴史、理念を大切に引継ぎ、今後も事業展開をして参りたいと考えています。それは、市民のために。また、ケアマネ不足などの社会環境にも負けないように。これまで目指してきたケアマネジメントの「要」として。ケアマネジャーの存在意義や意味、これを社会へ示せるように、個々のケアマネジャーの資質の向上にも引き続き取り組んで参ります。
「一般社団法人 川崎市介護支援専門員連絡会」はまだ立ち上がったばかり、赤子のような法人です。それでも、その中身、想いはこれまでの任意団体時代に培ったものが基礎となり、強く溢れ出ています。
今後も皆様のご支援、ご協力をいただきながら、「一般社団法人 川崎市介護支援専門員連絡会」を大きく成長させていきたい所存です。任意団体時代と変わらぬご支援ご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
一般社団法人
川崎市介護支援専門員連絡会
代表理事 出口智子
(前文)
私たちは、川崎市に沿って流れる多摩川のように、7区の多様性、また生命の源となる水やエネルギーを川の流れのように止める事なく、必要な人へ効果的に提供できるような介護支援専門員を目指していきます。
本スローガンは虹を7区と多職種間の協働に見立て、川(水の流れ)は市民や地域活性化をイメージしました。また、水車自身は私たち介護支援専門員です。水車が上手く動くことによって、豊かな生活を営むことができるような役割を意識しています。
(人権尊重) 1. 私たちは 利用者の人権を尊重し、擁護します (自己決定の尊重) 2. 私たちは 利用者の自己決定を尊重します (多様性尊重) 3. 私たちは 利用者の多様性を認識し、それを尊重して活動します (多職種連携) 4. 私たちは 多くの職種と連携し、チームで対応していきます (社会開発と活用) 5. 私たちは 地域資源の把握活用、課題抽出や解決の取り組みに寄与します (自己研鑽と連携) 6. 私たちは 研鑽を続け、仲間と連携し、専門職としてのスキルの向上を目指します (後進育成) 7. 私たちは 地域を支える後進を育成します |
ここ数年間の研修会講師や本会とゆかりの深い著名人の方々を本会名誉会員として、末永く本会へご協力いただけるようお願い致しました。
奥 川 幸 子 氏(対人援助職トレーナー)
大 川 潤 一 氏(国立市健康福祉部高齢者支援課地域包括支援センター主査)
大 森 彌 氏(社会保障審議会会長・同審議会介護給付費分科会長)
桂 米 多 朗 氏(初代川崎市多摩区観光大使)
水 村 美穂子 氏(青梅市地域包括支援センターすえひろ センター長)
山 崎 泰 彦 氏(社会保障審議会介護保険部会部会長)
吉 島 豊 録 氏(梅光学院大学 准教授)
橋 本 泰 子 氏(大正大学名誉教授)
土 居 丈 朗 氏(慶應義塾大学経済学部 教授 経済学博士)
田 中 滋 氏(埼玉県立大学理事長・慶應義塾大学名誉教授)
岩 名 礼 介 氏
(三菱UFJリサーチ&コンサルティング経済・社会政策部社会政策部長 主任研究員)
白 澤 政 和 氏(桜美林大学大学院 老年学研究科教授)
飯 島 勝 矢 氏(東京大学 高齢社会総合研究機構教授)
順不同
組織・役職名は就任当時
2024年6月28日現在
前文
介護支援専門員は、介護支援サービスの全過程において、要介護者等を擁護し、支援し続けていきます。また、要介護者等が最も効果的に保健・医療・福祉サービスを利用できるよう、要介護者等の利益のために活動する立場にあり、その倫理性や援助の基本姿勢が厳しく問われているところです。その際に、利用者本位で、生活の質の向上を目指すのはもちろんのこと、住み慣れた地域において、安心して暮らし続けていくことのできる社会の実現を願っています。
倫理綱領の要約は、次の3 項目とします
・ 人を尊重し、安心した生活を支えます
・ 良識を養い、秩序を守ります
・ 誠実に徹し、倫理を重んじます
❚ 第1条 人権尊重
介護支援専門員は援助関係において要介護者等の人権を守り、地域社会において、家庭において、常に要介護者等がその人権を侵害されることなく生活できるよう配慮することが大切です。また、鋭い観察力や感受性、そして洞察力をもって要介護者等の最も身近な代弁者であることをいつも心に留めて置く必要があります。
❚ 第2条 主体性の尊重
“安定した生活”、“質の高い生活”の主体者は要介護者等であり、一人ひとりの大切にしている生き方や暮らし方が尊重されるべきです。介護支援専門員は、要介護者等が常に自分の感情や意思を表現しやすい状況をつくり、誤りのない自己決定ができるよう援助します。また、要介護者等の主体性を尊重するために、要介護者等に対して援助者は対等な関係を維持するものです。
❚ 第3条 公平性
介護支援専門員は職業倫理として、要介護者等と援助者の関係において、自己覚知による客観性を持ち、どの人に対しても公平に対応していきます。また、サービスの利用援助において、ニーズの性質や量に応じた適正な調整を行います。公平性とはこれにより、要介護者等の個別性に十分な配慮がなされた生活の安定度や質を等しい状況にすることです。地域のインフォーマルなサービス資源の状況についても全体像を把握し、関係者等との情報の交換に常に留意していきます。
❚ 第4条 中立性
介護支援専門員は要介護者等を擁護するとともに、関係者それぞれの安定した生活も実現するように活動していきます。また、要介護者等が必要とするサービスを提供する機関(居宅サービス事業者)との関係において中立性を保ち、要介護者等が適切なサービスを利用できるよう援助します。
❚ 第5条 社会的責任
介護支援専門員の活動の一つひとつは社会的責任を伴うものです。専門的援助関係のもとに行われる要介護者等への効果的で、公平性のあるサービス利用等の援助は、地域社会全体の利益ともなるはずです。常に責任の重さを自覚し、自らの行動が及ぼすところを振り返る努力をします。
❚ 第6条 個人情報の保護
介護支援専門員は個別性のある的確な援助をするために、知り得た要介護者等の情報を要介護者等の了解なしに、また問題解決という目的のため以外に決して漏らしません。また、問題解決に必要な情報以外に関与しません。
❚ 第7条 総合的判断と協働
介護支援専門員は要介護者等や家族の意思を十分に交え、援助機関の垣根を越えて合議し、その結果に対して、忠実に、協力し合って活動します。一つの専門職の視野と行動には限界があることを互いに知り、それゆえに、保健・医療・福祉の各専門職が連携して援助することが大切です。チームメンバーが、他機関・他職種の役割や機能を、要介護者等にとってかけがえのない存在であると理解し、信頼し合い、協力し合ってチームケアの質を高めるために、介護支援専門員は十分にその役割を果たしていきます。
❚ 第8条 研鑽
介護支援専門員は主体的に研修し、研究していく姿勢をもちます。また、連絡会の一員としてその活動に参画し、専門的技能を高めるために相互に学び励まし合い、仲間同士の啓発に努めていきます。
<参考文献>
・ 財団法人長寿社会開発センター 介護支援専門員基本テキスト
・ 社団法人日本社会福祉士会 倫理綱領
・ 社団法人日本看護協会 看護者の倫理綱領